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お知らせ

不正競争防止法等の一部を改正する法律が2023年6月14日に公布されました。

2023年6月30日

 

今回の改正法は、⑴デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化、⑵コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備、⑶国際的な事業展開に関する制度整備、の3つを柱に、スタートアップ・中小企業等による知的財産を活用した新規事業展開を後押しする内容となっています。

 

改正内容については、上記⑴に関して、登録可能な商標が拡充された点が注目されます。

第1に、既に登録されている商標について、先行商標権者の同意があり、出所混同のおそれがない場合には、商標登録が可能になります(コンセント制度 商標法4条4項)。

その場合、併存する登録商標のうちの一方が周知性や著名性を獲得して、もう一方の商標権者に対し不正競争防止法に基づく差し止め請求ができないようにするため、適用除外規定が設けられました(不競法19条1項3号)。

第2に、これまで「他人の氏名」を含む商標は、他人の承諾を得ない限り商標登録ができませんでしたが、改正法では、自分の名前で事業を行う者がその名前を商標登録できるよう、一定の要件のもと、他人の承諾がなくても商標登録を可能としました(商標法4条1項8号)。

 

次に、デザインの分野では、出願前にデザインを公開した場合の救済措置(新規性喪失の例外)の要件を緩和するとともに(意匠法4条3項等)、デジタル空間における形態模倣行為を規制対象としました(不競法2条1項3号)。

 

さらに、今回の改正法では、営業秘密・限定提供データの保護の強化も図っています。

例えば、これまで限定提供データの保護対象から「秘密管理されているもの」は除外されており、秘密として管理されているけれども公知な情報は、限定提供データとしての保護も営業秘密としての保護も及びませんでした。改正法では、「秘密として管理されているものを除く」の要件を「営業秘密を除く」と改正し、そのような情報も限定提供データに含めて保護することにしました(不競法2条7項)。

また、損害賠償額の算定規定についても、2019年改正特許法にあわせて、生産能力を超える損害分も使用許諾料相当額として増額請求が可能となるよう規定を整備しました(不競法5条)。

 

今回の改正法には、上記以外にも重要な内容が含まれています。

なお、施行日は、公布後1年以内とされています(一部は令和5年7月3日に施行されます)。

 

特許庁ホームページ

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/hokaisei/sangyozaisan/fuseikyousou_2306.html