2022年5月19日
民事訴訟の手続をIT化する民事訴訟法等の改正法が成立しました。
2025年までに段階的に実施されます。
改正点は以下のとおりです。
《裁判記録の電子化》
これまで裁判関係の記録は紙で作成されていましたが、訴状の提出から判決の送達までオンラインでできるようになります。
なお、弁護士をつけない本人訴訟の場合は、従来どおり、紙での取り扱いも認められます。
《ウェブ会議システムの利用》
裁判所に出頭しなければならなかった口頭弁論手続が、ウェブ会議により行えるようになります。
我々弁護士にとっては、直接、裁判所に行く時間が省け、業務負担が軽減されることになります。
ウェブ会議による弁論準備手続や書面による準備手続等の規定も整備されます。
《裁判期間の短縮を図る手続の創設》
当事者双方が同意すれば(当事者双方の申立て、あるいは一方の申立てと他方の同意)、6か月以内に審理を終え、その後1か月以内に判決を出す制度(法定審理期間訴訟手続)を利用することができるようになります。
但し、消費者契約に関する訴えと、個別労働関係民事紛争に関する訴えは除外されます。
また、判決の送達から2週間以内に異議の申し立てをすれば、通常の手続により審理、裁判を行うこととされています。
《個人を特定する情報の秘匿制度》
当事者やその法定代理人の氏名や住所などを、相手方に対しても秘匿できるようになります。
性犯罪の被害者やDV被害者が、氏名や住所等を知られることなく、加害者を訴えることが可能になります。