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デザインの保護

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デザイナーにデザイン業務を委託・発注する場合、契約書を作成するケースは少ないのが実情です。多くの場合、発注側が商品企画に用いるデザインの制作をデザイナーに依頼し、その報酬としていくら支払うという口約束を交わすだけで、具体的な取り決めがされていることは多くありません。
しかし、最初にきちんと取り決めをしなかったために、発注側とデザイナー側の考えが違っていることに気づかず、後になってトラブルになることがあります。

例えば、受注した業務の内容を明確にしていなかったためにデザイナーが思ってもいなかった追加作業をさせられたり、格安で受注したところ商品が大ヒットしたのにそれ以上の報酬を全くもらえなかったり、打合せ段階で不採用となった案がデザイナーの知らないうちに別の商品に使われていたりするようなことが起こります。
一方、発注側にも、十分な報酬をデザイナーに支払い、さらに多くの費用をかけて商品開発までこぎつけたのに、その段階になって他社から同じデザインの商品が販売されていたり、意匠権侵害を理由に警告を受けたり、あるいは商品がヒットしたので他のグッズに使おうとしたところ、デザイナーから苦情を言われたりするようなことが生じます。
このような両者の考えの違いをなくすためには、契約書で具体的内容を定めておくことが重要です。

もっとも、デザイン契約書を作成していても、トラブルが完全になくなるわけではありません。契約する場合には、契約書に記載された各規定の意味を十分に理解しておく必要があります。
契約書を作る場合には市販の書式が使われることが多いと思いますが、デザイン契約書の書式には、例えば「第三者の知的財産権を侵害していないことを(デザイナーが)保証する」という、いわゆる保証条項が定められていることがあります。これは、採用されたデザインが第三者の知的財産権を侵害している場合、デザイナーが賠償責任を負うことを約束するという意味の規定です。
しかし、第三者の知的財産権を侵害しているかどうかは高度な法律的判断を要するため、相当な知識と調査が必要になります。デザイナー側はこのような規定の意味を知らずに契約書を作成していることが多いのです。

デザイン業務の委託、発注をめぐるトラブルを防止し、デザインを保護していくためには、契約する段階で契約書を作成すること、また契約書に記載されている契約内容をしっかり理解することが大切です。